天神(てんじん)
天神(てんじん)あらすじ
学問の神様、北野天満宮や太宰府天満宮に祀られている菅原道真公(天神様)の物語です。

道真公は生来の才能があり、光孝、宇多、醍醐3代の天皇に仕え若くして右大臣にまで登用されますが、それを妬んだ時の左大臣・藤原時平の陰謀により道真公は太宰府へ左遷され2年後に失意のうちに亡くなります。

その後、天皇の御殿、清涼殿への落雷、時平の突然死など道真公の左遷に関わった人物の相次ぐ死、日照りや流行病などの天災に京の都は大混乱し、それは、道真公の怨霊の仕業と考えられ都人から“雷神” として恐れられました。神楽では、道真が雷神となって時平と戦うように創作してあります。

登場人物
菅原道真
菅原道真(すがわらのみちざね)(天神)
平安時代の貴族、学者、漢詩人、政治家。醍醐朝で右大臣にまで昇ったが左大臣藤原時平に讒訴(ざんそ)され、大宰府へ権帥として左遷され現地で没した。学問の神様としても有名。

随身
随身(ずいしん)
菅原道真の従者、社中によっては道真に代わり時平と戦うところもある。

藤原時平
藤原時平(ふじわらのときひら)
若くして栄達するが天皇は源氏や学者の菅原道真を重用した。道真を遂に讒言して大宰府へ左遷させた。政権を掌握するが、39 歳の若さで死去し、その早すぎる死は怨霊となった道真の祟りと噂された。

注目の神楽歌!
「東風(こち)吹かば 匂いおこせよ梅の花、 主なしとて春な忘れそ」

【神楽歌解説】
「春になって東風が吹いたなら、その風に託して配所の大宰府へ香りを送ってくれ、梅の花よ。主人のこの私がいないからといって、春を忘れずに咲いておくれ。」と大宰府に左遷されるとき、日ごろ愛していた梅の木に別れを告げた歌です。その後、この梅は大宰府の道真のもとへ飛んで行ったといい、これが有名な「飛梅」の伝説です。

ここに注目!
天神衣裳の早変わり!勇壮活発な立ち回り!

鑑賞のポイント
(1)激しい立ち回りや「片切り」と呼ばれる衣裳の上半身が、一瞬のうちに変わるところが見どころ。衣裳が2回変わる社中と、3回変わる社中があります。

(2)やるかやられるか!隙のない激しい太刀さばきはしびれること間違いなし!


ガイドブック浜田の石見神楽